スポーツ中に転倒したり、相手と衝突したりした際に、歯が折れたり口の中を切ったりした経験はないでしょうか。こうした口腔内のケガは、マウスガードを着けることで大きく防ぐことができます。では、マウスガードはどのような仕組みで歯や体を守っているのでしょうか。今回はその基本的なメカニズムについて解説します。
歯が受ける衝撃の大きさ
スポーツ中に顔や顎に加わる衝撃は、私たちが想像する以上に大きいものです。たとえばボクシングのストレートパンチでは、数百kg相当の瞬間的な力が顎にかかるとも言われています。
こうした衝撃が歯に直接伝わると、歯の破折や脱落、歯根へのダメージにつながります。さらに顎骨を伝わった衝撃は頸部や頭部にまで波及し、脳震盪のリスクを高めることも知られています。
マウスガードの衝撃吸収メカニズム
マウスガードは、歯と歯茎・顎骨の間にクッション素材を介在させることで、衝撃を分散・吸収します。その仕組みは大きく3つです。
1. 衝撃エネルギーの分散
マウスガードの素材(エチレン酢酸ビニル共重合体 / EVA)は弾力性が高く、衝撃を受けた際にその力を広い面積へと分散させます。一点に集中していたエネルギーが面全体に広がることで、歯や骨への局所的なダメージを減らします。
2. 上下の歯が直接ぶつかるのを防ぐ
下顎に衝撃が加わったとき、何も装着していなければ上下の歯が勢いよくぶつかります。マウスガードはこの「歯同士の衝突」を防ぎ、歯の破折リスクを大幅に下げます。
3. 顎を安定させて脳への振動を軽減
正しい噛み合わせでマウスガードを装着すると、下顎が安定した位置に固定されます。顎関節が安定することで、衝撃が頭蓋骨・脳へ伝わる量が減り、脳震盪の予防効果が期待されます。
フィット感が保護性能を左右する
マウスガードの保護効果は、どれだけ歯型に密着しているかに大きく依存します。市販の成形タイプは個人の歯型とずれが生じやすく、衝撃を受けた際にマウスガード自体がズレてしまうことがあります。この場合、分散・吸収の効果が十分に発揮されません。
一方、歯科医師が型取りして製作するカスタムメイドタイプは、個々の歯型に完全にフィットするため、衝撃のたびにしっかりと機能します。また、正確な噛み合わせを設定できるため、顎の安定という点でも優れています。
パフォーマンスへの影響
マウスガードは「守るだけ」のアイテムではありません。噛み合わせが安定することで、体幹の力が伝わりやすくなるという報告もあります。プロアスリートの間でマウスガードが普及しているのは、ケガ予防だけでなく、こうしたパフォーマンス向上の側面も関係しています。
まとめ
マウスガードは単なる「歯の保護具」ではなく、衝撃吸収・顎の安定・脳震盪リスクの軽減まで担う、スポーツにおける重要な安全装備です。そして、その性能を最大限に引き出すには、歯型にぴったり合ったカスタムメイドであることが不可欠です。
Next Gearでは、提携歯科医院での精密な型取りをもとに、競技種目・レベル・個人の口腔内状態に合わせたカスタムマウスガードを製作しています。
